夏場お子様に多い病気手足口病(てあしくちびょう)について

2008-08-25

■ 手足口病(てあしくちびょう)とは?

手足口病(hand, foot and mouth disease:HFMD)は急性ウィルス性感染症です。手のひら、足の裏、口の中に発疹や水疱ができるウイルス性発疹症です。生後6カ月くらいの乳幼児から、4~5歳ころの幼児に多く、10歳以下の小児によく見られる疾患です。大人もかかることがありますが、発疹の痛みを感じることが多いようです。5月~8月に流行しやすいのが特徴です。一般的に潜伏期間が3日~7日あり、最初の1~2日の間に熱が出ることもありますが、熱といっても38℃の熱が出るケースは全体の30%ほどで、半分以上のお子様は熱が出ません。ほとんどの場合、1週間から10日程度で自然に治ります。合併症もほとんどありませんが、まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院治療が必要となります。

■ 手足口病の原因は?

手足口病ウィルスは本来胃腸かぜウイルスの一種で、最も一般的なのは、腸の中にいるコクサッキーウイルス(A16)、コクサッキーウィルス(A10)ですが、この他のエンテロウイルス(EV71)なども原因となります。その他にも10種類以上あり、いずれのウイルスでも現れる症状は同じです。一度かかると免疫が成立し、同じ種類のウィルスにはかかりませんが、10数種類あるため、他のウィルスにかかる事があります。エンテロウイルス(EV71)はごくまれに髄膜炎になりやすいと言われています。

■ 手足口病の症状は?

手足口病の発疹の特徴は、手のひら、足の裏、手や足の指と指の間を中心に小さな赤い発疹ができます。小水疱を伴う事もありますが、痒みや痛みはありません。口の中には、舌や口の内側の粘膜に軽度の痛みを伴った小さな水疱ができ、水疱が破れて潰瘍状になることもあります。水泡が潰瘍状になると、かなりしみて痛みます。よだれがたくさん出るので気づくことも多いようです。また軽い咽喉の痛みも伴うため、小さなお子様は食事がとれなくて、脱水傾向になることがあるので注意が必要です。おなかはすいても痛みで食べられないため、つるんとしたのどごしのよい食べやすいメニューを用意してあげる必要があります。また発疹は、手足以外でも肘や膝、或いは、おしりあたりにみられることもあります。ときには下痢や嘔吐を伴うこともあります。

■ 手足口病の感染経路と予防は?

せきや唾液などの飛沫感染のほか、便からもウイルスが排泄されて口からうつったり します。このため、手洗いの励行(これは特におしめ等を交換した時重要)や汚れた衣服はこまめに洗濯するといった一般的な注意が必要です。

■ 手足口病の治療法は?

手足口病に対する特異的な治療法やワクチンはありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対症療法が中心です。熱や咳・鼻水があるときに風邪薬を処方しますが、発疹に対しての塗り薬はありません。ただし、水泡がつぶれて細菌感染が起こった場合には、抗生物質の軟膏を処方します。

■ どのような症状の変化に注意したらよいか?

突然の高熱或いは微熱でも持続するもの、吐き気、嘔吐を繰り返すもの、けいれん、意識状態に変化が見られるものは十分な注意が必要です。

ウイルス感染症ですので、他のお子様にもうつる可能性はあります。症状が軽症の場合は胃腸かぜ(夏かぜ)の一種ですので、「幼稚園や学校を休む必要はない」という意見もあります。しかし、うつる可能性があり、社会での流行など諸事情によっては、「幼稚園や学校を休む必要はあり」ます。水疱がなくなるまで、学校での鉄棒やプール、海水浴などは避けましょう。発疹がふやけてつぶれたりすると細菌感染が起こりやすくなります。