夏かぜってほかのかぜとどう違うの?

2008-08-26

感染するウイルスの種類が異なります
かぜの80~90パーセントはウイルスの感染が原因で起こりますが、そのウイルスの数は200種類以上あるといわれます。多くのウイルスは寒くて乾燥した環境を好むため、冬にかぜ(普通感冒)やインフルエンザが大流行しますが、なかには暑くて湿度が高い夏の環境を好むウイルスもいるのです。エンテロウイルス(コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど)やアデノウイルスがその代表で、胃腸障害を伴うことが多い夏かぜの原因となっています。

<ウイルスの違い>



夏かぜは夏バテするとひくの?
体力、免疫力が低下するためにウイルスに感染

 かぜは健康な人でもかかりますが、とくに体の免疫力が低下しているときに感染します。暑さやクーラーのかけ過ぎによって疲労や食欲不振、寝不足の状態になると免疫力も低下し、通常より夏かぜにかかりやすくなるので注意が必要です。「夏かぜはおなかにくる」とよく言いますが、多くはエンテロウイルスに感染したケースです。「エンテロ」とは「腸」の意味で、エンテロウイルスはのどだけでなく、腸でも繁殖するため、発熱やのどの痛みに加え、下痢や腹痛など腸の症状を訴えるのが特徴です。
 一方、アデノウイルスの「アデノ」とは「のど」の意味。アデノウイルスも呼吸器と腸で繁殖しますが、発熱とのどの痛み、激しい咳が出るのが特徴です。 咽頭結膜炎や咽頭炎を起こすケースもあります。乳幼児の場合、百日咳(百日咳菌で起こる病気で、激しい咳発作が起こる)と間違えるほど、ひどい咳が出るケースも多くあります。



<エンテロウイルスによる、かぜの症状>



<アデノウイルスによる、かぜの症状>



軽いかぜと重いかぜの症状の違いは?
長引いて高熱や色のついた痰が出たら注意 
通常、夏かぜは1週間くらいで鼻やのどなどの症状も治まって回復しますが、それ以上長びいたときは重いかぜ、つまり、かぜをこじらせたり、二次感染でほかの病気を引き起こしているケースがあります。

とくに強い全身症状や38度以上の高熱が続いたり、黄色っぽい膿性の痰が出るときは肺炎など二次感染の注意信号と考え、早めに病院で診察を受けるようにします。

かぜの発症には免疫力の低下が関係することは前に述べましたが、免疫力の弱い乳幼児やお年寄り、糖尿病などの病気のある人は、家族や周囲の人が症状の変化に気を配ってあげてください。



下痢をしたときは下痢止めを飲んでいいの?
回復を遅らせることがあるので様子を見て
夏かぜによる下痢は、腸内のウイルスを便といっしょに体外に排泄しようとして起こる症状です。下痢止めを飲むことでウイルスが排泄されず、夏かぜの回復が遅れることもあります。
ただし、下痢が何日も続いたり、体力の消耗が著しい重度の下痢の場合など、下痢止めを使用した方がいいケースもありますから、2~3日、様子を見てから服用してください。下痢のときは脱水症状を起こしやすいので、水分の補給を忘れずに行います。
また、便に血が混じる、1日に10回以上水っぽい便が出るなど、症状が重い場合は早めに医師の診察を受けてください。



夏かぜを予防・回復のために摂ったほうがよい栄養は?
体力を消耗しやすい夏はとくに偏食を避け、栄養バランスの取れた食事を摂るように心がけたいものです。夏かぜの予防・回復には良質のタンパク質とビタミンA、ビタミンCが有効です。ビタミンAを多く含む食品には肉類のレバー、うなぎ、鮎のはらわた、のりなど。ビタミンCを多く含む食品は、パセリ、のり、芽キャベツ、ピーマン、小松菜、大根の葉などがあります。
また、胃腸の働きをよくする食品は、にがうり、茎にんにく、おくら、しょうが、にらなど。きゅうりやトマト、すいか、なすなど、旬の野菜は体内の熱を冷まして体を冷やす働きをします。